

機器種類 | 巻線形モーター75kW496V8P |
機器メーカー | 三菱 |
現地/工場持込 | 工場持込 |
お客様エリア | 東北 |
お客様業種 |
製紙 |
ご相談内容 |
工場の生産設備用の巻線形モーターの整備・性能回復を目的とした修理 |
施工内容 | コイル巻替、スリップリングの切削加工、ベアリング交換、ワニス含侵処理 |
お客様からのご相談内容
工場の保全担当者様より、工場の生産設備用の電動機(75kW)の動作異常に関するご相談をいただきました。長期間の稼働による経年劣化が見られ、定期メンテナンスの一環として整備・性能回復を目的とした修理をご希望されました。
整備/修理前の状態(Before)
点検の結果、回転子コイルの劣化、スリップリングの摩耗、ベアリングの消耗が確認されました。内部には塵埃や油汚れが多く堆積しており、絶縁物の劣化やコア端部の過熱跡も認められました。また、摺動部の摩耗や振動値の上昇も見られたため、構成部品の一部に交換が必要と判断しました。加えて、目視点検によりファン、ブラケット、口出線支持部にも劣化や変形が見られました。
整備/修理結果(After)
今回の整備では、まず回転子コイルを新規に巻き替え、スリップリングの旋削加工を施しました。さらに、固定子の洗浄・乾燥・ワニス含浸処理および仕上げワニス処理を実施し、絶縁性能を大幅に回復させました。ベアリングは前後とも新品に交換し、各部の摩耗パーツも適宜取替・補修しました。加えて、カーボンブラシの摺り合わせや外観塗装を施し、全体的に良好な状態へ復旧させました。最終的な無負荷通電試験(チェッカー・振動・温度)では、絶縁抵抗が一次・二次ともに100MΩを確保し、電流・回転数・温度上昇値も規定内に収まり、総合判定は「合格」となりました。
ワンポイントアドバイス
今回のような高出力のスリップリングモーターにおいては、定期的な絶縁状態の確認と内部の塵埃除去が長寿命化に大きく寄与します。特に、回転子やスリップリング周辺は熱や摩耗の影響を受けやすいため、年1回程度の予防保全を実施し、異音や振動の早期発見に努めることが望まれます。加えて、使用環境の湿度管理や軸受周辺のグリス点検も推奨されます。











