モーターコイル巻き替え整備全国対応|買い替えが難しい産業用モーターを再生
コイル巻き替え(巻き直し)とは?
コイル巻き替えの基本
モーターコイル巻き替え(巻き直し)とは、焼き付き(焼損)や絶縁劣化によって使えなくなったコイルを取り外し、新たに製作したコイルをスロットに挿入して絶縁処理(ワニス含浸等)を施すことで、モーターを再生・復旧させる修理方法です。新品購入に比べてコストを抑え、入手が難しい旧型・海外製のモーターにも対応できるのが特徴です。
巻き替えが必要となる主なケース(焼損・絶縁劣化・老朽化)
- コイルの焼損や短絡
- 絶縁物の劣化による耐電圧低下
- 過負荷や長時間稼働による摩耗
- 老朽化・経年劣化
これらのトラブルでも、適切な巻き直しによって再利用できる場合が多く、設備更新を避けながら停止時間とコストを最小化できます。


コイル巻き替え修理のメリット
1️⃣ 生産終了モーターの再生
メーカー生産終了でもコイル巻き替えによって再稼働が可能です。設備更新を回避できます。
3️⃣ 短納期・コスト削減
コイルの巻き替えならば、新品発注より早く再生が可能です。(高圧モーターの場合、銅線仕入のため、納期がかかります)
2️⃣ 海外製・特殊モーターにも対応
海外製/特殊なモーターなど新規調達が難しい機種も、ノウハウを活かしてモーターの再生が可能です。
4️⃣ モーターの寿命を伸ばす
含浸による絶縁補強などによって、コイルを巻き直すだけではなく、モーターコイルの寿命を延ばします。
コイル巻き替えの流れ(工程紹介)
高圧モーターの焼損したステーターコイルの巻き替え修理を例にご紹介します。
1. コイルの劣化状態の判定
まず、絶縁抵抗・巻線抵抗を測定し、劣化状態を判定します。今回は、焼損したステーターコイルの内部を調査すると、楔が脱落していることが確認できました。このことから、脱落した楔がローターとステーターの間に挟まり過剰な負荷がかかったことによってステーターコイルが焼損したと考えられました。

2. コイル抜き取り、スロット清掃
焼損により機能を失ったステーターコイルを取り外し、スロット内部に残る絶縁物やワニス、異物を丁寧に除去します。これは、鉄心を傷つけないよう清掃し、巻き替え後の絶縁性能とコイル収まりを確保するための重要な下準備工程です。

3. コイル製作
スロットに挿入するステーターコイルは、線径・ターン数・形状などモーター固有の仕様に合わせて1本ずつ専用型で巻線し、正確な寸法に成形します。特に高圧モーターでは、耐電圧性能を確保するため数種類の絶縁テープを複数層で巻き上げ、絶縁階級に応じたテーピング処理を行う高度な製作工程となります。
4. 絶縁物挿入・コイル入れ・結線
ステーターコイルをスロットに収めながら、絶縁紙をコイルと鉄心の間に挟み込むことで、運転中の振動や摩耗による絶縁不良を防ぎます。全てのコイルを所定位置に入れた後、相ごとのステーターコイル結線とリード線(口出線)の接続・絶縁処理を行い、モーター仕様どおりの結線パターンでコイル入れ完了となります。

5. ワニス含浸処理
ワニス含浸処理は、コイル入れと結線を終えたステーターに絶縁ワニスを浸透させ、絶縁性・耐熱性・防湿性を向上させる重要な仕上げ工程です。コイルとスロットの隙間をワニスで固定することで、運転中の振動や摩耗を防ぎ、巻き替え後のコイルの長期安定稼働と耐久性を確保します。

6. 仕上げワニス処理・ステーターコイル巻替完了
ワニス除去後は、仕上げとしてステーター内部のコイル表面にワニススプレーを均一に吹き付け、絶縁性と耐熱性を補強します。コイル巻替整備ではワニス含浸処理が必須ですが、通常のモーター整備(オーバーホール)でも、絶縁性能の維持や振動による摩耗防止のため、仕上げワニス処理を実施することを当社では強く推奨しています。

7. 組立・塗装、無負荷通電試験
組立工程では、ベアリング(軸受)やガスケット、端子箱などの付帯部品を正確に取り付け、回転部の芯合わせやクリアランス調整を行った後、防錆性と耐久性を高めるために外装塗装を施します。仕上げとして無負荷通電試験を実施し、電流値・振動・温度上昇などの動作状態を確認。基準値内であることを検証して、モーター整備・巻き替え作業が完了となります。

当社の強み
1️⃣ 幅広い対応範囲
モーターの種類に制約はありません。高圧モーターや直流モーター等々、さまざまの種類のモーターに対応しています。
3️⃣ 特急対応の柔軟さ
お客様の状況に応じて、特急対応を検討いたします。まずは、ご相談ください。
2️⃣ 全国対応
東北地方以外のお客様でも、運送会社などを活用して対象のモーターを引き取り、修理してお納めいたします。
4️⃣ 70年以上の経験と品質
絶縁処理・含浸補強・溶射施工まで一貫対応し、モーターコイルの寿命を延ばします。
対応可能なモーター
産業機械・工場設備用モーター
- 低圧かご形モーター
- 巻線形モーター(固定子/回転子コイルどちらも可)
- 高圧モーター
- 直流モーター(固定子/回転子どちらも可)
- ブレーキコイル
- マグネットコイル
- 発電機用の各種コイル
特殊・海外製・旧型モーター
国内で代替入手が難しいモーターでも、仕様採寸と材質選定により対応できるケースがあります。他社で「修理不可」とされた案件の復旧実績もあります。
対象外のご案内
バイク用モーター、自動車のオルタネーター、ジェネレーター等は取り扱っておりません。
お問い合わせから納品までの流れ
- ホームページや電話でお気軽にお問合せ下さい。その後、モーターの外観・銘板などの写真を、電子メールに添付してお送り頂き、故障状況に応じて、御見積を作成いたします。
- その後、弊社工場にモーターを郵送・持込み頂いた後、分解・点検を行った上で、修理内容・金額の詳細と納期を報告・連絡差し上げます。
1. モーターの引取りに関して
全国(東北地方以外)のお客様の場合
- モーターの輸送は、運送会社のパレット-チャーター便等を活用いたします。
- モーターの取り外し/取り付けは、お客様またはお客様の指定業者様によりご対応をお願いします(エリアによっては弊社で対応いたします)。
岩手県近隣の都道府県のお客様の場合
- 当社によるモーターの引取り(取り外し/取り付け等の現地作業含む)を想定していますが、運送会社による輸送や、お客様による持込みでも構いません。
2. モーターコイル巻き替え料金
- 仕様・出力・巻線数により変動しますが、新品購入価格の50%程度で収まる事例が多く見られます。
- 無料でモーターコイルの巻き替え(巻き直し)料金を見積ります。見積照会だけでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。
- 簡易見積依頼フォームにモーターの種類、容量などお分かりになる範囲でご記入ください。 迅速にお見積りを作成いたします。
3. 納期目安
- モーター仕様に応じて納期が変わります。お気軽にお問合せ下さいませ。
- 尚、高圧モーターの場合は、材料のコイル銅線(=平角線)の調達に、数カ月以上要する場合もあります。
施工事例
よくある質問
Q1. モーターのコイルが焼ける主な原因は何ですか?
A1. 絶縁劣化、過負荷運転、冷却不足、電源電圧の不平衡、長期使用による経年劣化などが代表的な原因です。焼損すると絶縁抵抗値が大きく低下し、モーターが起動しない・ブレーカーが落ちるなどの症状が出ます。
Q2. どのようなモーターが修理可能ですか?
A2. 産業機械・工場設備向けのモーターに対応します。海外製や旧型でも、図面や現物確認で可否を判断します。※バイク用モーター、オルタネーター、ジェネレーターは対象外です。
Q3. コイル巻き替えにかかる費用はいくらですか?
A3.出力・フレームサイズ・巻線仕様により異なりますが、一般的には 新品モーター価格の50〜70%程度となるケースが多いです。高圧モーター・特殊仕様の場合は別途お見積りとなります。
Q4. 遠方からの依頼は可能ですか?
A4. はい。運送会社を活用した全国対応が可能です。岩手近隣であれば当社による引取りも対応します。
Q5. 見積に必要な情報は何ですか?
A5. モーターの外観写真、銘板(型番・容量)、故障状況をご提供ください。迅速にお見積りします。
Q6.巻き替えの納期はどれくらいですか?
A6. 焼損の程度、使用線材・絶縁種、リード線交換の有無などによって変動しますが、低圧モーターで 1〜2週間前後、高圧モーターでは、数カ月以上かかる場合があります。詳細はお問合せ時にお伝えします。
Q7. 水没モーターも直せますか?
A7. はい。絶縁劣化の程度によりますが、多くのケースで再生が可能です。
お問い合わせ
0193-21-1751総合受付(事務所):担当 佐藤(午前8時~午後17時/土日祝日除く)
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