· 

産業用モーターの種類と特徴

産業用モーターの種類と特徴
産業用モーターの種類と特徴

モータとは電力エネルギーを受けて動力エネルギーに変える電動機のことをいいいます。

磁場内で電流を流すことで受ける力を回転動作をするのが基本原理です。しかしながら、モーターと一言にいっても、その種類は様々あります。ここでは、大分類とその特徴についてお話します。

コイル巻き替え整備の全国対応を開始致しました。コイルが焼損してしまいお困りのお客様は、お気軽にお問い合わせください。

モーターの大分類

※:モーターの種類ごとの特徴的な構造

直流モーター

直流整流子モーター直流整流子モーター 一般的に多く使われているモーターで、「ブラシ」(固定子側)と呼ぶ電極を、「整流子」(電機子側)に順次接触させることで、電流切り替えを行い回転動作を発生させます。
ブラシレスモーター ブラシと整流子を使用せずに、トランジスタなどのスイッチング機能で電気的に電流切り替えを行い回転動作を発生させます。
ステッピングモーター パルス電流に同期して動作するモーターで、パルスモーターとも言います。正確な位置決め運転を行うために使用します。
交流モーター 誘導モーター 交流により固定子に回転磁界を発生させることで、回転子に誘導電流を発生させて、その相互作用で回転動作を生みます。
単相誘導モーター 単相交流電力を入力とする誘導電動機です。単相交流単独では、始動トルクが得られないため、他の方法で回転トルクを与えて始動します。始動後は、回転した回転子と交流磁界との相互作用で回転を続けます。
三相誘導モーター(かご型) 三相誘導モーターには、かご型と巻線型のニ種類があります。かご型三相誘導電動機は構造上の仕組みが簡単なので取り扱いやすいという特徴があります。三相モーターといえばこのタイプのモーターが挙げられるほど主流となっており、簡単な構造でありながらほぼ一定の回転速度を維持して運転ができます。
三相誘導モーター(巻線型) 回転子が巻線型になっており、スリップリングを経由して二次抵抗器が接続されていて、スリップリングやブラシが設けられていることから二次抵抗防御による始動及び速度制御ができるのが特徴です。これにより、大幅な速度制御がしたい時に活用されるのが一般的です。電車やクレーンなど大容量が求められる現場ではよく使われています。
三相同期モーター 交流が作る回転磁界によって磁極をもと回転子が引き付けられて回転します。回転の速度は電源の周波数と同期します。
整流子モータ 整流子モータは、別名ユニバーサルモータとも呼ばれ、交流、直流どちらの電源でも運転できる点が特徴のブラシ付きモータです。
その他 サーボモーター サーボモーターでは、プログラムに従ってコントローラーがドライバーに指示を出し、その指示通りにドライバーがモーターを動かします。位置/速度/回転力(トルク)などを正確に実現できるため、高精度の制御が求められる、工作機械、半導体・液晶製造装置で使われます。

モーター・ポンプの寿命を延ばす診断・メンテナンスサービスの情報はコチラ

直流モーター

直流モーター(DCモーター)の基本的な回転原理は、基本となる固定子の磁界のなかで、コイルを備えた回転子を回転させることです。直流モーターは、1.駆動方式、2.界磁方法、3.極数、4.回転子の構造で分類することができます。以下、詳細を説明します。

直流モーターの分類


1.回転原理による分類

直流整流子モーター

コイルを備えた回転子を回転させる際に、整流子とブラシという機構を用いるモーターをブラシ付き(直流整流子モーター)と呼びます。ブラシ付きモータのメリットは構造がシンプルであり、速度制御しない場合は駆動電子回路が必要ないことです。しかし整流子とブラシは接触したまま回転しているため、時間の経過とともに摩耗します。そこで、定期的な整備と交換が必要になります。なお、整流子は「コンミュテータ」と呼ばれることがあります。

ブラシレスモーター

ブラシレスモータは、永久磁石を回転子としており、整流子とブラシが必要ありません。パルス波の駆動回路によって、回転子の磁極位置を検出して電流を流すコイルを切り替えることで回転子が回転します。従来、始動が難しく速度可変も難しいため、産業用途以外普及していませんでした。しかし、近年、強力な永久磁石が開発されたこと、半導体素子による制御が容易になったことから、幅広い分野で普及しています。

2.界磁による分類

直流整流子モーターの固定子作る基本的な磁界を界磁と呼びます。界磁を行う方法によって直流整流子モーターは分類できます。永久磁石で界磁するものを永久磁石形直流整流子モーター、コイルに電流を流した電磁石で界磁するものを巻線形直流整流子モーターと呼びます。

3.極数による分類

界磁を行う磁極の数で直流整流子モーターは分類できます。界磁には最低N極とS極の2極が必要となりますが、このように2極で界磁を行うモーターを2極機と呼びます。界磁には、N極とS極の組み合わせが必要となるため極数は偶数になります。

4.回転子による分類

直流整流子モーターは、回転子の構造でも分類できます。回転子には鉄心があり、鉄心に設けられたスロット(溝)にコイルを巻く構造のモーターをスロット形モーターと呼びます。一方、スロットをなくしたモーターをスロットレスモーターと呼びます。さらに鉄心までたくしたものをコアレスモーターと呼びます。

直流モーターの整備のポイント(整流子のメンテナンス)

直流整流子モーターでは、整流子の摩耗により発生する火花を放置しているとコイル損傷の原因となります。当社では、整流子の磨耗状況を点検して、切削、アンダーカット、面取りの施工を行って整流子の整備はもちろんのこと、交換が必要な場合は、部品の製作も承ります。詳しくは、メンテナンスサービスの情報を御覧ください。

整流子(コンミュテータ―)
直流モーターの整備のポイント(整流子のメンテナンス)

交流モーター

交流モーター(ACモーター)には、誘導モーター(インダクションモーター)と同期モーター(シンクロナスモーター)があります。その他に交流整流子モーターがありますが、一般に交流モーターといった場合には、誘導モーターと同期モーターを指すことがほとんどです。以下に、詳細を説明します。

交流モーターの分類


1.回転原理による分類

誘導モーターと同期モーターはどちらも、固定子が磁界を回転させることで回転子に影響を与えて回転させます。この回転する磁界のことを回転磁界と呼び、回転原理に回転磁界を利用しているモーターを回転磁界形モーターと呼びます。一方、交流整流子モーターは、直流整流子モーターと々回転原理を利用する整流子形モーターです。

2.誘導モーターと同期モーター

回転磁界形モーターには、誘導モーターと同期モーターがあります。回転原理を簡単に説明すると以下のようになります。

誘導モーター

固定子コイルに三相交流を流すことで生み出される回転磁界によって、回転子に誘導電流を発生させ、その誘導電流の電磁力によって回転します。電子誘導作用による誘導電流で回転させるために、誘導モーターと呼びます。

同期モーター

回転軸を備えた永久磁石の周囲で、回転磁界を発生させると、中央の磁石は磁気の吸引力によって回転します。内側の永久磁石を回転子、外側の磁界の回転を回転磁界にしたものを同期モーターと呼びます。同期モーターはこうした原理で回転するため、回転磁界の回転速度と回転子の回転速度が同期(シンクロ)します。そのため、同期モーターと呼ばれます。

3.同期モーターと非同期モーター

回転磁界の回転速度には、電源周波数と固定子の磁極の数によって決まります。この回転速度を同期速度または同期回転数と呼びます。同期モーターは、この同期速度で回転することが名称の由来となっています。一方、誘導モーターは、同期速度では回転しないため、非同期モーターとも呼びます。

4.三相交流モーターと単相交流モーター

交流モーターには、電源に三相交流を利用するものと、単相交流を利用するものがあります。一般的には、回転原理と併せて、三相誘電モーター、単相誘電モーター、三相同期モーター、単相同期モーターに分類できます。

交流モーター(かご形)

かご形回転子は、かご状の導体と回転子鉄心で構成されます。鉄心は積層鉄心で、外周には導体をはめ込むスロットが設けられています。スロットには、電機をよく通すアルミニウムや銅で作られた棒がはめ込まれていますが、この棒のことをローターバーと呼びます。ローターバーの両端はエンドリングや短絡環という銅やアルミニウムの輪が溶接されます。これによりロータバーは互いに電気的に接続されます。これをかご形導体と呼びます。


交流モーター(巻線形)

巻線形回転子では、誘導電力を流す導体にコイルを使用します。かご形回転子と同じように、積層鉄心の回転子鉄心にスロットが設けられ、コイルが収められています。誘導モーターでは、固定子コイルを一次コイルと呼ぶのに対して、回転子コイル(ロータコイル)を二次コイルと呼びます。巻線形回転子の基本的な構造は、直流整流子モーターの回転子に類似のものですが、転流を行う整流子はなく、代わりにスリップリングが備えられています。このスリップリングに接したブラシから電流を導くことができます。


巻線形モーターのスリップリング

巻線形回転子は、スリップリングとブラシが擦れ合うため、ノイズが発生し、定期的な点検とメンテナンスが必要になります。スリップリングにブラシ摩擦粉が堆積したまま放置すると、最悪、焼損事故が起きて復旧までに長時間を要します。当社では、設備の長期安定運用のため、お客様の視点に立った保守・点検診断サービスを提供します。スリップリングについては、旋削により金属面を磨き上げることで導通を改善します。さらに必要であれば、スリップリングの製作も行います。詳しくは、メンテナンスサービスの情報を御覧ください。

巻線形モーターのスリップリング

※スリップリング製作も承ります。

関連する情報

モーターの故障原因エトセトラ

2022/06/10

コイルの巻き替え修理のススメ

2022/09/05

コイル巻替全国対応

2022/09/19


モーター・ポンプの整備/修理のご相談があれば、お気軽に、お問い合わせください。

株式会社釜石電機製作所

第一工場

〒026-0055 岩手県釜石市甲子町第9地割171-4
TEL 0193-23-8151
FAX 0193-23-8159

事務所・第二工場

〒026-0053 岩手県釜石市定内町3丁目3-15
TEL 0193-21-1751
FAX 0193-21-1752

北上事業所

〒024-0011 岩手県北上市堤ケ丘1丁目8-20
TEL 0197-64-0192
FAX 0197-64-0194

サイトマップ
Copyright © KAMAISHI electrical machinery factory Co.,Ltd All rights reserved.