機器種類 | 高圧モーター390kW 6600V 4P |
機器メーカー | 東芝三菱 |
現地/工場持込 | 工場持込 |
お客様エリア | |
お客様業種 |
化学 |
ご相談内容 |
工場のコンプレッサー用高圧モーターコイル巻替・各種整備 |
施工内容 | ステーターコイル巻替、分解・掃除・組立・ベアリング取替 |
お客様からのご相談内容
某ガス供給事業者様より、390kWの高圧モーターに関し、定期点検に加え、不具合兆候の有無を精査したいとのご相談をいただきました。モーターは高出力かつ長時間稼働が前提となる設備であるため、信頼性確保を目的とした事前整備の必要性が指摘されていました。
整備/修理前の状態(Before)
受け入れ時の点検において、目立った外観損傷は確認されなかったものの、長期稼働に伴う内部摩耗や劣化の可能性が懸念されました。絶縁抵抗の劣化や軸受周辺の振動値の上昇傾向が見られ、回転部の予防的メンテナンスが必要と判断されました。また、電機子および絶縁系統に油分や塵埃の付着が見られたため、清掃と再処理が求められる状態でした。
整備/修理結果(After)
点検・整備の結果、以下の処置を実施しました。
- 固定子および回転子のワニス再含浸処理:電気絶縁性を回復し、耐湿性を向上
- 軸受(ベアリング)の新品交換:寿命管理の観点から、前後軸ともに予防保全を実施
- 内部洗浄および乾燥処理:塵埃・油分を除去し、絶縁劣化のリスクを抑制
- 無負荷通電試験・絶縁試験・温度測定:運転条件下の電流・電圧・温度はすべて基準内。特に絶縁抵抗は良好(100MΩ以上)を維持
- 外観補修と塗装処理:設置環境に配慮し、錆対策を含めた再塗装を実施。
総合判定として、全体的な性能および外観状態ともに「良好」と評価されました。
ワンポイントアドバイス
今回のような高圧・大容量のモーター設備は、突発的な故障が生産ライン全体に影響を与える可能性があるため、年1回の定期点検に加え、運転中の振動・温度監視の強化が重要です。また、絶縁抵抗値のトレンド管理により、早期の劣化検知が可能となります。振動測定値が一定の閾値を超えた場合には、異常摩耗の前兆として早期対応が求められます。











