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ポンプ用巻線形モーターの分解整備

巻線型モーターのステータコイルの巻替修理
巻線型モーターのステータコイルの巻替修理
機器種類 巻線形100kW 440V 10P
機器メーカー 日立
現地/工場持込 工場持込
お客様エリア  
お客様業種 水処理・環境設備
ご相談内容 汚水ポンプ用モーター(出力350kW3300V10P)の修理・整備
施工内容 ステーターコイル巻替、スリップリング整備、ベアリング交換、他

お客様からのご相談内容

某自治体のポンプ場に設置されてるポンプ用の巻線形モーター(100kW・10極)について、経年使用に伴う性能劣化の懸念があり、分解点検と必要に応じた修繕・整備をご依頼いただきました。モーターは上下水処理の重要設備であり、安定稼働とトラブル予防のために適切なメンテナンスを施すことが目的です。

整備/修理前の状態(Before)

現地撤去後、工場にて受け入れたモーターは、外観に著しい損傷は見られないものの、長年の使用による摩耗や汚れの蓄積が確認されました。スリップリング部には摩耗が進行しており、カーボンブラシの消耗も顕著でした。ベアリングの劣化による振動リスクも懸念される状態であり、内部には塵埃の付着や絶縁物の劣化も見受けられました。これらの状況から、予防保全の観点で複数箇所の整備が必要と判断しました。

整備/修理結果(After)

分解整備では以下の作業を実施しました。

  • スリップリングの旋削加工およびカーボンブラシの交換を行い、摺動部の接触性能を改善
  • 固定子・回転子のワニス含浸処理により、絶縁性能と耐久性を回復
  • 前後軸受(ベアリング)を新品に交換し、振動抑制と安定運転性を確保
  • 内部の高圧洗浄・乾燥処理を行い、塵埃および湿気の除去を徹底
  • 端子ボックス、ファン、カバー等の各部点検および清掃・塗装仕上げを実施

さらに、無負荷通電試験、絶縁抵抗測定、振動・温度測定を通じて、整備後の状態を確認した結果、すべての測定項目が良好な基準値内に収まっており、正常な運転が可能な状態に復旧したことが確認されました。

ワンポイントアドバイス

本モーターのような巻線形誘導モーターは、スリップリングやブラシといった可動接点が存在するため、接触摩耗による性能低下が比較的早く発生する傾向にあります。定期的にスリップリングの状態を点検し、年1回程度の予防的ブラシ交換と振動測定の実施を推奨します。また、塵埃や湿気の蓄積は絶縁不良の原因となるため、通風経路の清掃も含めた定期的な内部クリーニングが重要です。

1.分解前
1.分解前
2.ベアリング状況
2.ベアリング状況

3.スリップリング旋削前
3.スリップリング旋削前
4.スリップリング旋削仕上
4.スリップリング旋削仕上

5.ローターワニス処理
5.ローターワニス処理
6.ステーターワニス処理
6.ステーターワニス処理

7.ローター組込み
7.ローター組込み
8.負荷側ベアリング取付け
8.負荷側ベアリング取付け

7.カーボンブラシホルダー取付け
7.カーボンブラシホルダー取付け
8.組立、塗装完了
8.組立、塗装完了

株式会社釜石電機製作所

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